使ってみようレーザー加工機!ダンボールをギアの形にカットする
エンジニアリングっていうと「ギア」のイメージがあるのって私だけでしょうか?絵文字なんかにもよくありますよね。
エンジニアとは関係ないかと思いますが、「いらすとや」さんにもたくさんギアのイラストがありました。
いらすとやさんのギアイラスト。どのタイミングで使うんでしょうか...?
思い付きからのモノ作り
我が家の子供がよく遊んだエンジニアリング系のおもちゃで、アーテックさんの「かいてんギヤセット」「リンクとギヤ学習セット」という商品があります。ギヤとブロックで様々な機械の仕組み、機構を学ぶことができる面白い教材です。
ただ、ギアの数が少なくて、いつも最後には「もっとたくさんギヤがあったらいいのにー」となります。
自宅にダンボール箱がたくさんあるので、ダンボールを使ってギアが山盛り作れたら面白いな、と以前から思っていましたが、ブログをはじめるにあたり、この思い付きを実現するため本気で考えてみることに。
細かい加工が簡単にできる「レーザー加工機」を使う
せっかくなのでエンジニアブログらしく、手作業でカットするのではなく、レーザー加工機というツールを使いたいと思います。
レーザー加工機はDIY工房やファブラボなどで利用することができる大型のデジタル機器。パソコンで作ったデータを専用ソフトに読み込んで、材料をカットしたり、彫刻をしたりすることができます。
レーザー加工機を使ったダンボールギアの製作の手順は以下のようになります。
① レーザー加工機用にギアのデータをIllustratorで用意する
② カットする素材(ダンボール)を準備
③ レーザー加工機で素材をカットする
Illustratorでギアのデータを準備する
さて、①のギアのデータ作成でいきなり壁にぶち当たります。
レーザー加工機用の専用ソフトには、AdobeのIllustratorからデータを読み込むことができます。そのため、まずは、Illustratorでダンボールをカットするための線を引く、というところから始まります。
しかし、残念ながら私の能力ではIllustratorを使ってギアのような複雑な形状のデータは作れません...
簡単そうに見えるんですけど、歯車って歯先が少し細くなっていたりと、意外と複雑な形状をしてるんですよー(^_^;)
ということで。
フリーで使えるデータがネット上にないか、探してみることにしました。
色々なサイトをみた結果、こちらの「ABCgaragesoft」さんのサイトで提供されている「歯車くん」がよさそうでした。
http://abcgarage.html.xdomain.jp/web_gya_dxf/gya_dxf.html
必要な歯数を入力すると、自動でギアのデータを作ってくれます。
2つの歯車でかみ合わせを確認することもできます。おもしろいので歯車を回してしばらく遊んでしまいました(*´▽`*)
よさそうな歯数を決めたら、「dxfダウンロード」というボタンをおすと、DXF形式のファイルがダウンロードできます。
DXF形式はCADソフトのデータ形式なのですが、Illustratorで読み込むことができます。
私は歯数15と30のギアデータを作成してダウンロードしました。
歯車くんからデータのダウンロードができたら、Illustratorで読み込んでみます。
ここでちょっと注意なのですが、新しいバージョンのIllustratorでこのデータを読み込むとエラーが発生してしまいました。
そのため、Illustrator2020を使って作業しています。
読み込んだそのままのデータでは、サイズが16mm、30mmになっていました。
ダンボールで作るとちょっと小さいと思うので、倍にして、32mm, 60mmに変更して保存。
これでデータは完成です!
ちなみに、Illustratorがない場合は、ダウンロードしたDXF形式のままレーザー加工機が使える施設に持ち込んでも大丈夫です。
ものづくりの強い味方!「ファブスペースみたか」
レーザー加工機は、東京都の三鷹市にある「ファブスペースみたか」にあるものを使います。「ファブスペースみたか」について少し紹介をしたいと思います。
ファブスペースみたかは、東京都三鷹市の産業プラザ内にある「ものづくり工房」です。三鷹駅から歩いて10分くらいの場所にあります。
3Dプリンタやレーザーカッターなどの大型のデジタル加工機から、グルーガン、のこぎり、はんだごてなどの工具まで、ものづくりに必要なものが色々と用意されています。
会員登録をすると、施設使用料の1000円と機材のレンタル代(500~2200円/h)を払って使用することができます。
私は2年ほど前からこちらの会員になり、最近では運営のお手伝いもさせていただいています。時々インスタに写真を投稿しているので見てくださいね 。
https://www.instagram.com/fabmitaka/
この記事で使っているレーザー加工機は1時間2200円で利用できます。
素材のダンボールを準備する
さて、本題に戻って、ダンボールギアの製作を進めていきたいと思います。
① レーザー加工機用にギアのデータをイラストレーターで用意する
② カットするダンボールを準備
③ レーザー加工機でダンボールをカットする
次の手順「② カットするダンボールを準備」を進めます。
我が家にあるいらないダンボール箱をいくつか持ってきました!
この段ボールたちを、まずは加工しやすい大きさにカッターやはさみで切り分けます。
Illustratorで作ったギアのデータを確認し、大体タテヨコ10cmくらいになりそうなのでとりあえず、12cm x 12cmくらいにじゃんじゃん切っていきます。
これでレーザー加工機でカットする素材が完成。手順②が終了です。
レーザー加工機でサクサク!カット
データをファブスペースみたかのパソコンで開いて、Illustratorからレーザー加工機の専用ソフトに読みこみます。データをDXF形式で持ち込んだ場合は、最初にファイルをIllustratorで開いてサイズの調整をしていきます。はじめて使う方には、このあたりの手順はファブスペースみたかの技術スタッフさんが教えてくれるのでご心配なく。
あとは、素材にあわせてレーザー加工機本体の設定をしていきます。ダンボールは燃えやすいので、ちょっと弱めのパワーで設定をして、カットできない場合は徐々に出力を上げていくことにします。
設定が終わったら、開始ボタンを押すとすぐにカット開始。
最終的なギアのデータとカットの様子を動画でまとめたのでご覧ください。
見た目はキレイだけど...問題あり、ものづくりって難しい
1時間弱くらいでこれだけのギアを作ることができました。
鉛筆をギアの軸にすることをイメージして、真ん中に7mmの穴を開けました。
ギア大 15個
ギア小 30個
山盛り、までは行かなかったですけど結構たくさんできました。全部を連動して動かせたら面白そうです✨
しかーし.... 実際に動かしてみると問題がみつかりました。
ダンボールって2枚の紙の間になみなみの紙をはさんで強化したものですよね。つまり、中身がしっかりつまっておらずスカスカ、という構造になっています。
そのため、ギアの歯の部分にすきまができ、ふたつのギアがうまくかみ合わない...!
回るには回るんですが、スムーズに回転させることができない....!
手作業ではむつかしいギアの加工ができたので、レーザー加工機の使い方としては楽しかったんですが、作品としては失敗作になってしまいました。
よく考えれば最初から分かることだったんじゃないか、と思うと情けなくなりますが(涙)ものづくりって難しいですね。
これもせっかく作ったので、子供と一緒に遊んでみたいと思います。
そして、また改善をして、スムーズに回るギアを作りたいと思います.....!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
coporii